自民党水産部会と水産総合調査会が21日、東京都内の党本部で開いた合同会議で、漁業関係者や議員らから、中国漁船などのイカの違法・無報告・無規制(IUU)漁獲に対する取り締まりの厳格化を求める声が相次いだ。

日本以外の漁船が合法に操業できない排他的経済水域(EEZ)内でも中国漁船が漁場を占拠している現状から、日本側の取り締まり不足を批判する声が噴出。中国漁船が国連安保理の規則に違反して北朝鮮でイカを乱獲していることについても、「国際社会を巻き込んで徹底的に」(佐々木紀衆院議員=石川2区)対策を求める意見がでた。

近年、日本EEZ内の大和堆で外国漁船の違法操業が急増。今年は北朝鮮船が減った代わりに中国船が目立ち、水産庁が退去警告した中国漁船の延べ隻数は9月末までに2586(前年同期726)、10月1~16日も882に上った。

日本政府は外国漁船の漁場占拠で安全操業が確保できないとし、日本漁船側に大和堆漁場西方からの退去を要請している現状がある。

本来、日本の漁場である大和堆を違法な中国漁船によって奪われ、それを政府が黙認してしまう格好に、JF全漁連の岸宏会長は「異常事態。日本の水産外交は軟弱外交の極み」と強調。他の漁業関係者からも「臨検や拿捕(だほ)を」など、取り締まりの強化を求める声が続いた。

山田修路参院議員(石川県区)は「軟弱外交の極みというのはその通り」と語り、他の国会議員らからも「今年、海上保安庁から違法船への放水がないという。水産庁と海上保安庁の、本当の意味での連携を」「外交上の事情で(日本漁船に)自粛を求めるなら、なぜ漁業者にだけ負担(減収)を押し付ける」など、関係省庁の対策不足を批判した。

全国いか釣り漁業協会は、大和堆の漁場占拠に加え、中国漁船が国連安保理の決議に違反して北朝鮮に入漁料を払い、北朝鮮水域で多量のスルメイカを獲っていることを指摘。資源が脅威にさらされていると危機感をあらわにした。

佐々木議員は「中国とは(北朝鮮と違い)国交がある。国際社会を巻き込み徹底的な対策を」と求めた。